「毎日きちんと歯磨きしているのに、なぜか虫歯ができてしまう」
このようなお悩みを持つ方は、決して少なくありません。
実は、歯磨きは虫歯予防にとても大切ですが、それだけで完全に防げるものではありません。
虫歯は、磨き方だけでなく、生活習慣や体質など、さまざまな要因が重なって起こります。
ここでは、歯磨きしているのに虫歯になる理由と、正しい予防の考え方についてわかりやすくご紹介します。
1. 歯磨きしていても虫歯になるのはなぜ?
歯磨きは虫歯予防にとても大切ですが、それだけで虫歯を完全に防げるわけではありません。
歯磨きの役割は、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)を落とすことです。
しかし、虫歯のなりやすさには、
・唾液の量や質
・食生活や間食の頻度
・歯並びや歯の質
といった要素も大きく関係しています。
虫歯は、虫歯菌・糖分・歯の質・時間など複数の条件が重なったときに起こります。
そのため、丁寧に歯磨きをしていても、間食が多かったり、磨き残しが出やすい歯と歯の間や奥歯の溝に汚れが残ると、虫歯のリスクは高まります。
「磨いている=虫歯にならない」とは限らないのが、虫歯の難しいところです。
●磨き残しが起きやすい場所がある
・歯と歯の間
・歯と歯ぐきの境目
・奥歯・噛み合わせの溝
これらの場所は歯ブラシが届きにくく、毎日磨いていても汚れが残りやすい部分です。
そのため、自分ではしっかり磨けていると思っていても、知らないうちに虫歯の原因となることがあります。
●歯磨きの「やり方」が合っていない
【チェックリスト】
□ 歯ブラシに強い力を入れてゴシゴシ磨いている
□ 軽く当てているだけで汚れが落ちていない気がする
□ 歯磨きの時間が1〜2分ほどで終わってしまう
□ いつも同じ場所から磨き始め、同じ部分ばかり磨いている
□ 利き手側はよく磨けているが、反対側は意識していない
□ 歯並びや詰め物の周りを意識して磨けていない
ひとつでも当てはまる場合、磨いているつもりでも汚れが残っている可能性があります。
歯磨きは自己流になりやすいため、自分に合った磨き方を知ることが大切です。
●フロス・歯間ケアをしていない
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に落とすことはできません。
特に歯と歯の間は汚れが残りやすく、虫歯ができやすい部分です。
フロスや歯間ブラシを取り入れることで、虫歯のリスクを大きく下げることができます。
●食生活や生活習慣の影響
・間食が多い・だらだら食べ
食事や間食の回数が多いと、口の中が酸性になる時間が長くなり、歯が溶けやすくなります。
・甘い飲み物をよく飲む
砂糖を含む飲み物を頻繁に飲む習慣も、虫歯の原因になります。
・口の中が酸性になる時間が長い
虫歯は「何を食べるか」だけでなく、「どれくらいの頻度で」「どのくらいの時間」口の中が酸性になるかが重要です。
食べる回数や時間を意識することで、虫歯のリスクは大きく変わってきます。
●唾液の量・質に個人差がある
・唾液は虫歯を防ぐ重要な役割
唾液には、口の中を中和して酸性の状態を戻したり、溶け始めた歯を修復する働きがあります。
唾液が十分に分泌されていることで、虫歯になりにくい環境が保たれます。
・口呼吸・ストレス・加齢の影響
口呼吸や強いストレス、加齢によって唾液の量が減ると、虫歯リスクは高まります。
・自分ではコントロールしにくい要因
唾液の量や質には個人差があり、生活習慣の見直しだけでは改善が難しい場合もあります。
そのため、歯科医院での定期的なチェックや専門的な管理が大切になります。
●定期検診・プロケアが足りていない
・歯磨きだけでは限界がある
毎日丁寧に歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯ぐきの境目などには、どうしても磨き残しが生じてしまいます。
こうした汚れは時間とともに歯石へと変わり、歯ブラシでは取り除くことができません。
・早期発見・早期治療の重要性
定期検診を受けることで、虫歯を初期の段階で発見・対応することができます。
・クリーニングでリスクを下げる
歯科医院で行うプロフェッショナルクリーニングでは、毎日の歯磨きでは落としきれない汚れや歯石を、専用の器具を使って丁寧に取り除きます。
2. 歯医者がすすめる正しい予防習慣
虫歯予防で本当に大切なのは、「一生懸命やっているつもり」ではなく、自分のお口の状態に合った正しい習慣を続けることです。
●毎日の歯磨きは「質」を重視する
歯磨きは回数よりも、正しい方法で磨けているかが重要です。
【正しい歯磨きのポイント】
・ゴシゴシ磨かず、歯ブラシを軽く当てる程度の力で磨く
・歯をまとめて磨くのではなく、歯1本1本を意識する
・歯と歯ぐきの境目に毛先を当て、細かく動かす
・奥歯の噛み合わせの溝は、角度を変えながら丁寧に磨く
・歯と歯の間は、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシも併用する
・磨く順番を決め、同じ場所ばかりにならないよう意識する
・歯ブラシの毛先が開いてきたら、早めに交換する(目安は1か月)
●フロス・歯間ブラシを毎日の習慣にする
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは十分に落とせません。
フロスや歯間ブラシを使うことで、虫歯のリスクが大きく下がります。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、1日1回でも続けることが重要です。
●食事と間食の「回数」を意識する
甘いものを完全にやめる必要はありませんが、だらだら食べ・だらだら飲みは虫歯の大きな原因になります。
食べる時間を決め、口の中が休まる時間を作ることで、唾液の力を十分に活かすことができます。
●フッ素を上手に取り入れる
フッ素には、歯を強くし、虫歯になりにくくする働きがあります。
毎日のケアでは、フッ素の「種類」と「使い方」が大切です。
【歯磨き粉はフッ素配合のものを選びましょう】
・成分表示に「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化第一スズ」などが含まれているものがおすすめです
・大人の方は、高濃度フッ素(1,450ppm)配合の歯磨き粉を選ぶと、より高い予防効果が期待できます
・歯磨き後は、フッ素をお口に残すために、少量の水で1回だけ軽くゆすぐのがポイントです
●定期検診を「問題がなくても」受ける
「痛くなってから歯医者に行く」のではなく、虫歯になる前に予防することが大事です。
定期検診では、磨き残しのチェックやクリーニング、虫歯の早期発見ができます。
4.当院での予防歯科について
当院では、「虫歯になってから治す」のではなく、虫歯にならないための予防歯科を大切にしています。
患者さま一人ひとりのお口の状態や生活習慣をふまえ、リスクに合わせた予防プログラムをご提案しています。
定期検診では、プロによるクリーニングに加え、磨き残しのチェックや歯磨き指導を行い、毎日のセルフケアの質を高めるサポートをしています。
また、必要に応じてフッ素塗布などの予防処置を取り入れ、虫歯の発生リスクを抑えていきます。
5. まとめ
歯磨きをしていても虫歯になるのは、決して特別なことではありません。
虫歯は、磨き残しやケア方法の癖、食生活、唾液の量など、複数の要因が関係しています。
大切なのは、自己流で頑張ることではなく、自分のお口に合った予防を続けることです。
毎日のセルフケアに加え、定期的な歯科検診とプロケアを取り入れることで、虫歯のリスクは大きく下げられます。
▽河原町歯科・矯正歯科クリニックの専門医より一言!
「歯磨きはちゃんとしているのに虫歯ができる」
そう感じている方ほど、実は予防意識がとても高い方が多い印象です。
ただ、虫歯は“努力不足”で起こるものではなく、お口の環境との相性によって左右される部分も大きいのが現実です。
同じ磨き方をしていても、虫歯になりやすい方・なりにくい方がいるのは、そのためです。
定期検診では、虫歯の有無を見るだけでなく、 「なぜ虫歯ができやすいのか」「どこに気をつけると予防しやすいのか」といった、一人ひとりのお口の特徴を確認することができます。
早めに自分のお口の状態を知っておくことが、将来の大きなトラブルを防ぐ近道です。
気になることがあれば、虫歯になる前の段階で、ぜひお気軽にご相談ください。
河原町歯科・矯正歯科クリニック

~著者~
院長/矯正担当医(歯学博士)
江口 公人えぐち きみひと
■ 経歴・資格・所属学会等
1988年 徳島大学歯学部卒業
日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
日本口腔インプラント学会会員
インプラント認証医
日本矯正歯科学会
SJCD所属会員
KIRG準会員
歯学博士