学校歯科検診で「要受診」と言われたらどうする?

学校歯科検診で「要受診」と書かれていると、「すぐ治療が必要?」「放っておいて大丈夫?」と不安になりますよね。
この記事では、学校歯科検診の「要受診」の意味や受診の目安、当院での対応についてわかりやすく解説します。

1. 学校歯科検診の「要受診」とは?

結論から言うと、「要受診」=重大な異常が確定した、という意味ではありません。
これは、歯科医院での詳しいチェックが必要かもしれない状態を示すサインです。

学校歯科検診は、限られた時間と環境の中で行われるため、少しでも気になる点があれば「要受診」と判断される仕組みになっています。

「要受診」は緊急という意味?

多くの方が誤解しがちですが、「要受診」と書かれていても、緊急性が高いとは限りません。

実際には、

・初期のむし歯の疑い
・歯並びやかみ合わせの軽微なズレ
・歯ぐきの腫れ・磨き残しによる炎症
・生え変わり途中で判断が難しい状態

など、経過観察レベルの可能性も多く含まれています。

ただし、「今すぐではない=行かなくていい」ではありません。
正確な診断を受けるために歯科医院を受診してください、という意味合いが「要受診」です。

2. 「要受診」と判定される主な理由

むし歯の疑い
最も多い理由が、むし歯の疑いです。
初期むし歯や、着色・溝が深く判断が難しい歯、生えたばかりで見えにくい歯など、確定診断ができない段階で指摘されることも少なくありません。

・歯肉炎・歯ぐきの腫れ
歯ぐきの赤みや腫れ、出血が見られる場合も「要受診」となります。
子どもの歯肉炎は、磨き残しや仕上げ磨き不足、生え変わり時期の磨きにくさが原因のことがほとんどです。
この段階で受診すれば、歯みがき指導やクリーニングなど、治療を伴わない対応で改善することも多いです。

・歯並び・かみ合わせの問題
歯の重なりや前歯の出っ張り、かみ合わせのズレなどもチェックされています。
「要受診」となっても、すぐに矯正治療が必要という意味ではありません。
成長とともに変化するかどうかの確認や、経過観察・将来的な相談の目安を知るための受診であることがほとんどです。

・歯の生え変わり・過剰歯の疑い
乳歯が抜けないまま永久歯が生えている場合や、歯の本数・位置に違和感がある場合も「要受診」となります。
これらはレントゲン検査が必要なため、歯科医院で確認したうえで「経過観察」「自然に改善」「将来的な処置が必要」など、方針を判断します。

3. 「要受診」と言われたらまず何をすればいい?

学校歯科検診で「要受診」と書かれていた場合、大切なのは「様子を見る」ことではなく、一度歯科医院で確認を受けることです。

なるべく早めに歯科医院を受診する
「要受診」と判定された場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
緊急性が高いケースは多くありませんが、時間が経つことで状態が変化してしまう可能性があるためです。
特に、初期むし歯や歯ぐきの炎症、歯の生え変わりに関する指摘は、早い段階で確認すれば治療をせずに済むことも多いのが特徴です。
受診を後回しにすることで、本来は経過観察で済んだものが治療対象になるケースもあります。

・検診結果の用紙を必ず持参
歯科医院を受診する際は、学校歯科検診の結果用紙を必ず持参しましょう。
そこには、学校医がどの部位をどのような理由で気にしたのかが簡潔に記載されています。
結果用紙があることで、歯科医師は検診時の指摘内容を把握したうえで、必要な検査や確認を行うことができます。
特に、歯並びや生え変わり、かみ合わせに関する指摘は、どの部分が対象なのかを共有することが重要です。
用紙を持参するだけで、診察がスムーズになり、不要な不安や検査を減らすことにもつながります。

・症状がなくても受診すべき理由
「痛がっていない」「見た目は問題なさそう」と感じると、受診を迷ってしまう方も少なくありません。
しかし、歯や歯ぐきのトラブルは自覚症状がないまま進行することが多いのが特徴です。
特に子どもの場合、違和感をうまく言葉にできなかったり、症状に慣れてしまったりすることもあります。
学校歯科検診で「要受診」とされた時点で、何らかのサインが見つかっているため、症状の有無だけで判断するのはおすすめできません。
受診した結果、「問題なし」「経過観察で大丈夫」と確認できれば、それ自体が大きな安心材料になります。
問題がないことを確認するための受診も、大切な目的の一つです。

4. すぐに受診しないとどうなる?

むし歯が進行するリスク
初期のむし歯は自覚症状がほとんどありません。
早めに確認できれば経過観察で済む場合もありますが、放置すると治療が必要になる可能性が高まります。

・治療が大がかりになる可能性
受診を先延ばしにすると、小さな処置で済んだはずのものが、治療の範囲や通院回数が増えることがあります。
早めの受診は、お子さまの負担を減らすことにつながります。

・成長期の歯並び・あごへの影響
歯並びや生え変わりの指摘は、成長と深く関係しています。
早めに確認しておくことで、将来の選択肢を広げることができます。

5. 学校歯科検診で「要受診」と言われたお子さまへの当院での対応

まずは丁寧な再チェック・精密検査を行います
学校歯科検診は簡易的なチェックのため、当院ではまずお口の状態をあらためて確認します。
視診に加え、必要に応じてレントゲン検査を行い、本当に治療が必要かどうかを慎重に判断します。
検診で指摘があっても、すぐに削るような対応は行いません。

・必ず治療が必要とは限りません
「要受診」とされていても、経過観察で問題ないケースは少なくありません。
歯の状態だけでなく、歯みがき状況や生活習慣、生え変わりの時期も含めて総合的に判断します。
不必要な治療を無理に進めることはありませんので、ご安心ください。

・お子さまの成長を考えた治療・予防をご提案します
年齢や永久歯への生え変わりを考慮し、必要に応じて予防処置(フッ素塗布・シーラントなど)をご提案します。

・歯並び・かみ合わせの指摘があった場合
歯並びやかみ合わせについて指摘があっても、すぐに矯正治療が必要とは限りません。
成長を見ながら様子を見る選択肢も含め、必要な場合のみ適切な時期をご案内します。

・わかりやすい説明を大切にしています
専門用語はできるだけ使わず、図や模型を用いて丁寧に説明します。
ご納得いただいたうえで診療を進めますので、安心してご相談ください。

6. まとめ

学校歯科検診で「要受診」と言われても、すぐに治療が必要とは限りません。
多くの場合は、歯科医院で詳しく確認したほうがよい可能性があるというサインです。
症状がなくても、早めに受診することで経過観察で済んだり、将来的なトラブルを防げたりすることがあります。
特に成長期のお子さまは、歯やあごの状態が変化しやすいため、現状を把握しておくことが大切です。
「要受診」と書かれていたら、不安を解消するためにも、どうぞ気軽にご相談ください。

▽河原町歯科・矯正歯科クリニックの専門医より一言!

学校歯科検診後に「要受診」と書かれて来院されるお子さまと保護者の方を、これまで数多く診てきました。
その中で感じるのは、「早く相談してよかった」と安心されるケースがとても多いということです。
特に歯並び、咬合に要チェックが入っている場合は、放置しても改善はしないので、早期の対応が良い結果を生むと思っています。
顎の拡大や受け口、出っ歯などの骨格異常は小学1年~5年生までの時期が重要です。
その間に3~4年かけて骨格改善するイメージですね。
遺伝性の受け口や出っ歯さんは特に早めに相談されたほうが良いと思います。
実際には、治療が不要で経過観察となることや、少しのケアで十分改善できる状態も少なくありません。
一方で、受診が遅れたことで対応の選択肢が限られてしまうケースもあります。
学校歯科検診は、お子さまのお口の状態を見直す良いきっかけです。
現在の状態を確認するだけでも大丈夫ですので、まずはお気軽にご相談ください。

河原町歯科・矯正歯科クリニック

~著者~

院長/矯正担当医(歯学博士)
江口 公人えぐち きみひと

■ 経歴・資格・所属学会等
1988年 徳島大学歯学部卒業
日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
日本口腔インプラント学会会員
インプラント認証医
日本矯正歯科学会
SJCD所属会員
KIRG準会員
歯学博士