こんにちは。河原町歯科・矯正歯科クリニックです。
歯磨き粉の選び方について、よく聞かれます。
最近はいろいろな種類の歯磨き粉が出ていて、なかなか歯科医としてもおすすめするのが難しくなってきていますが、状況に応じて選び方が分かれてくるものなので、それぞれに分けて選び方をお話しできればと思います。
1.歯磨き粉の種類
市販の歯磨き粉ですが、大きく分けると①虫歯予防用か、②歯周病予防用(歯肉)に分かれます。
それぞれに有効成分が異なるので、どの成分を多くしているかで見分けることができます。
①虫歯予防用
主にフッ素(フッ化ナトリウム)の含有量によって変わってきます。
フッ素が多ければ多いほど基本的に虫歯予防効果が高くなるので、歯磨きの後ろをよく見てください。
現在の日本の規制だと1450ppmが入っているものが最大です。6歳未満の子供は、飲み込む可能性を考慮して950ppmが最大濃度になっています。
どちらがいいかと悩んだら、フッ素の濃度で選んでみてもいいかもしれません。(ちなみにインプラントの歯にはフッ素が良くないという話があるので、インプラントの方は、「コンクール」などのフッ素が入っていない歯磨き粉をお勧めする場合もあります)
②歯周病予防用
歯周病予防用の歯磨き粉は、歯周病菌を殺菌する成分や歯茎を引き締める効果のある成分が入っています。
これにはいろいろな成分があり、単純比較はできないですが、殺菌はイソプロピルメチルフェノール(IPMP)や塩化セチルビリジニウム(CPC)、塩酸クロルヘキシジン(CHX)などが主要な成分です。
歯茎を引き締めるのは、「グリチル酸」や「トラネキサム酸(TXA)」です。
またビタミン配合のものだと、ビタミンEに歯茎の修復作用があります。
③その他の歯磨き粉の種類
最近は、超音波や電動の歯ブラシに向けて、泡が立ちにくいものも出ています。
泡が立ちすぎると磨けた気になってしまうので、泡の出にくいものを選んでも良いと思います。
また、研磨剤が入っていないものもありますが、歯医者で酸蝕症と診断された方は、歯が削れてしまう可能性があるので研磨剤が無配合のものを選ぶと良いでしょう。
2.歯磨き粉の量は?
あまり使いすぎてももったいないので目安をお伝えすると、量で言うと歯ブラシの端から端まで出さないで、だいたい1cm、歯ブラシの半分ぐらいが経済的です。
CMみたいに一面につける必要はないですよ。
この記事が、皆さんのお役に立てたら幸いです。
河原町歯科・矯正歯科クリニック