口臭の主な原因と歯周病の関係|セルフチェック方法も紹介 2025年9月4日 河原町歯科・矯正歯科クリニック 口臭はとても身近で、なおかつ人に相談しづらいデリケートなお悩みです。「歯はちゃんと磨いているのに…」「食べ物のにおいかな?」と感じている方も、実は歯周病が原因のことがあります。この記事では、口臭の原因や歯周病との関係、自宅でできるセルフチェック方法、対策までをわかりやすく解説します。 1. 口臭の主な原因とは 口臭には大きく分けて「一時的な口臭」と「病的な口臭」があります。それぞれ原因が異なるため、正しく理解することが大切です。 ① 一時的な口臭・生理的口臭空腹時や起床直後、緊張・ストレスなどによって一時的に発生する口臭です。唾液の分泌量が減ることで、口内の細菌が増殖しやすくなり、においが強くなる傾向があります。誰にでも起こりうる自然な現象です。 ・飲食物による一時的な口臭ニンニクやネギ、アルコール、コーヒーなど、においの強い飲食物を摂取したあとの一時的な口臭です。時間が経てば自然におさまることがほとんどです。 ②病的口臭口臭の中でも注意が必要なのが、何らかの疾患が原因で発生する「病的口臭」です。主な原因として以下が挙げられます。 ・歯周病(最も多い原因のひとつ)・虫歯・舌苔(ぜったい)の蓄積・ドライマウス(口腔乾燥症)・扁桃炎・副鼻腔炎などの耳鼻科系疾患・胃や肝臓など内臓疾患 とくに、歯周病による口臭は慢性化しやすく、自覚しづらいのが特徴です。 2. なぜ歯周病が口臭を引き起こすのか 歯周病による口臭は、次のようなメカニズムで発生します。 ・歯周ポケットにたまる細菌の影響歯と歯ぐきの間にできる「歯周ポケット」に細菌がたまり、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれる悪臭のもとを発生させます。このガスは、タマネギが腐ったようなにおいと例えられることもあります。 ・歯ぐきの炎症や膿の発生歯周病が進行すると、歯ぐきからの出血や膿が起こります。これらもにおいの原因となり、口臭を悪化させる一因です。 ・自覚しにくく慢性的になりやすい歯周病による口臭は慢性的であるうえ、自分では気づきにくいのが特徴です。気づいたときには進行しているケースも多いため、早期の対策が重要です。 3. 歯周病による口臭のセルフチェック方法 口臭の原因が歯周病かどうか、自分である程度確認する方法があります。完全な診断は歯科医院でしかできませんが、まずは日常の中でセルフチェックしてみましょう。 自宅でできる簡単チェックリスト以下の項目に、いくつ当てはまりますか?2つ以上該当する場合は、歯周病の可能性があるため注意が必要です。 ・朝起きたとき、口の中がネバつく・歯磨きやフロスを使うと、歯ぐきから出血する・歯ぐきが腫れている、または赤くなっている・家族や友人から口臭を指摘されたことがある・歯がグラグラする、歯のすき間が広がったと感じる・歯ぐきが下がり、歯が長くなったように見える これらは、歯周病の代表的な初期〜中等度のサインです。とくに「出血」「腫れ」「口臭」「歯の動揺」などの症状は見逃さないようにしましょう。 4. 口臭対策としてできること ① 日常でできるケア日常生活の中でも、口臭を軽減・予防するためのセルフケアは可能です。以下のような習慣を意識してみましょう。 ・歯ブラシ+歯間ブラシ・フロスを習慣に歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落としきれません。歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、プラークや食べかすをより確実に除去できます。 ・舌苔の除去(舌ブラシで優しく)舌の表面にたまる白っぽい汚れ(舌苔)も、口臭の大きな原因です。舌ブラシを使って、奥から手前にやさしく取り除きましょう。 ・食後のうがい、こまめな水分補給口内の乾燥は細菌の増殖を招き、口臭の悪化につながります。水分補給や食後のうがいで、口内を清潔に保つことも有効です。 ② 歯科医院での専門的なケアセルフケアで改善が難しい場合や、歯周病が進行しているケースでは、歯科医院での専門的な治療が必要不可欠です。 ・歯周病の検査とクリーニング歯周病による口臭が疑われる場合、まずは歯周ポケットの深さや出血の有無などを調べる検査を行います。初期〜中等度の歯周病であれば、歯石やプラークを除去するスケーリング(歯石除去)や、歯ぐきの奥まで清掃するルートプレーニングで口臭の原因を大きく改善できます。 ・重度の歯周病には外科的処置も歯周ポケットが深くなりすぎて通常のクリーニングでは届かない場合、歯周外科処置(フラップ手術)が必要になることもあります。歯ぐきを一時的に開いて、奥に隠れた歯石や感染組織を取り除くことで、原因菌を徹底的に除去できます。 ・専門的な口臭測定器による診断口臭が気になるけれど原因がはっきりしない場合、当院では揮発性硫黄化合物(VSC)の濃度を測定できる口臭測定器(オーラルクロマなど)を使って、原因の特定を行っています。データに基づいた診断ができるため、「自分の口臭の状態が客観的に知りたい」「歯周病以外の原因も気になる」という方にも安心です。 5. 口臭のよくある誤解と正しい知識 口臭については、ネットやテレビ、周囲の情報から間違ったイメージを持っている方も少なくありません。ここでは、よくある3つの誤解を正し、正しい知識をお伝えします。 ① 「口臭=食べ物のせい」だけではないニンニクやアルコールなど、強いにおいのある食べ物を食べた後は誰でも一時的に口臭が出ます。ですが、このような一過性の口臭と、病的な慢性的口臭はまったく別物です。 特に歯周病や舌苔、虫歯などが原因の口臭は、時間が経っても消えにくく、毎日続く傾向があります。「食べ物が原因だと思っていたら歯周病が進行していた…」というケースもあるため、においが長く続く場合は注意が必要です。 ② 「歯を磨いていれば大丈夫」は誤解「毎日しっかり歯を磨いているから大丈夫」と思っていませんか?実は、歯ブラシだけで落とせるのは口の中の約60%程度と言われています。 歯と歯のすき間、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)、舌の表面など、歯ブラシだけでは届かない部分に汚れや細菌が残りやすいのです。口臭予防には、フロスや歯間ブラシ、舌ブラシなども取り入れることが大切です。 ③ 「年齢のせいだから仕方ない」?年齢とともに口臭が気になるようになるのは事実ですが、それを「仕方ない」と放置するのは危険です。 加齢により唾液の分泌量が減少すると、口内が乾きやすくなり、細菌が繁殖しやすくなる傾向があります。ただしこれはケア次第で十分に改善が可能です。実際、高齢になっても口臭を感じさせない方はたくさんいらっしゃいます。適切なセルフケアと歯科での定期的なケアを続けることで、年齢に関係なく快適な口腔環境を維持できます。 6. まとめ 口臭はとてもデリケートな悩みのひとつですが、放置しても自然に治ることは少なく、むしろ悪化してしまうケースもあります。とくに歯周病が原因となっている場合、進行すると歯を失うリスクもあるため、早期の対策がとても大切です。「もしかして、自分の口臭も歯周病が関係しているかも…」と感じたら、まずはお気軽にご相談ください。 ▽河原町歯科・矯正歯科クリニックの専門医より一言! 口臭の主な原因は上記のように、細菌です。胃からの食物の臭いもありますが、虫歯、神経が腐ってしまった腐敗臭、歯周病の臭い等のいわゆる口の臭い、口臭は細菌しかも嫌気性菌と言われる細菌が出す臭いです。これは台所の残飯入れや、生もののゴミ箱に発生する細菌とその臭い。ですから、ひどい口臭はゴミ臭と同じなのです。 現在、口臭予防として除菌を謳っている歯磨き粉やうがい薬がたくさん出ていますが、嫌気性菌は簡単には除菌できません。実は細菌も賢く?て自分を守る為に防御膜をまとってます。これを壊さない限り、うがい薬だけでは効果がない事がわかっています。もっとも、強力な膜さえも壊す、うがい薬が出れば良いのですが、なかなか細菌も手ごわいと言えます。 ですのでまだ、歯科衛生士などが道具をもって除去するのが一番効果的なのです。定期健診の重要性は、うがい薬でもご自分の歯ブラシでも除去できない細菌を機械的に取ってくれるという事なのです。 河原町歯科・矯正歯科クリニック ~著者~ 院長/矯正担当医(歯学博士)江口 公人えぐち きみひと ■ 経歴・資格・所属学会等1988年 徳島大学歯学部卒業日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医日本口腔インプラント学会会員インプラント認証医日本矯正歯科学会SJCD所属会員KIRG準会員歯学博士