虫歯治療の後って痛むの?

虫歯の痛み

虫歯は口内の病気の中でも最もメジャーなもののひとつで、多くの人にとって避けては通れない治療となります。
虫歯を放置すると、痛みや感染、さらには歯を失う原因となるため、早期の治療が推奨されています。しかし、治療後に「痛みがあるのではないか?」と不安を抱える方も少なくありません。本記事では、虫歯治療後の痛みについて詳しく解説し、痛みの原因や対策、治療方法についても触れていきます!

目次

1.虫歯治療の種類とその過程
2.虫歯治療後の痛みの原因
3.虫歯治療後の痛みの種類
4.痛みを和らげるための対策
5.虫歯治療後のケアと注意点
6.虫歯治療の後の痛みに関するまとめ

1. 虫歯治療の種類とその過程

虫歯治療は、いくつかのステップを経て治療を進めていきます。治療の内容は虫歯の進行具合によって異なるため、まずは虫歯の種類とその治療方法について理解しておくことが重要です。

①虫歯の進行段階
・初期虫歯:歯の表面に小さな穴が開いたり、白濁している状態。
・中等度虫歯:歯の内部にまで進行し、エナメル質や象牙質が影響を受けている段階。
・重度虫歯:虫歯が神経まで達し、激しい痛みを伴うことがある状態。

②虫歯の治療方法
・初期治療:フッ素塗布やシーラントなど、虫歯の進行を防ぐ処置。
・中等度治療:虫歯で腐食した部分を削り、詰め物をする治療(コンポジットレジン、アマルガムなど)。
・重度治療:根管治療や抜歯が必要な場合。

治療後は必ず歯科医師から必要なアフターケアや注意点についての説明を受けるようにしましょう!

2. 虫歯治療後の痛みの原因

虫歯治療後に感じる痛みの原因はいくつかありますが、まずは生理的な要因。その後、治療に伴う物理的な要因も考えられます。

①生理的な要因
・局所麻酔の影響:治療中に使用する麻酔は時間の経過とともに徐々に切れてくるため、麻酔が切れることで痛みを感じやすくなる傾向にあります。
・炎症反応:虫歯があった部位は、治療部分が安定して落ち着くまで新たに外部からの刺激を受けやすく、炎症が起きやすい状態にあるため直後は痛みがで安くなる場合があります。

②物理的な要因
・治療によるダメージ:虫歯部分を削る際に、まれに周囲の組織が傷つくことで痛みが継続する場合があります。
・詰め物(インレーやクラウン)による圧迫:特に、詰め物が高すぎる場合、隣の歯や噛んだときに患部に痛みを感じやすくなります。

3. 虫歯治療後の痛みの種類

虫歯治療後に感じる痛みには、さまざまな種類があります。これらは、痛みの程度や続く期間により分類されます。

①短期間の鈍痛
治療直後や数日間続く鈍い痛みが一般的です。この短期間の鈍痛の場合、時間の経過とともに自然に軽減することが多いです。

②刺すような鋭い痛み
外部からの刺激や噛むことで感じる鋭い痛みは、詰め物が適切でない場合や炎症が強い場合に現れることがあります。数日たっても痛みが継続する場合は担当医に相談することを検討してください。

③持続的な痛み
1週間以上続く場合は、再度の診察が必要です。さまざまな要因があるため一概に原因を指定することはできませんが長く持続的な痛みが継続する場合、根管治療が必要になることもあります。

④再発した虫歯
治療後、しばらくしてから痛みが再発することもあります。この場合、虫歯が再発したか、他の歯の問題などの原因が考えられます。

4. 痛みを和らげるための対策

もちろん個人差はありますが、虫歯の治療後は痛みが出やすいことは多々あります。なるべく痛みのストレスを軽減するため、痛みを和らげるための方法について、いくつかの対策を紹介します。

①痛みを軽減する薬の使用
・鎮痛剤:歯科医師が処方する鎮痛剤を使用することで、痛みを軽減できます。
・抗炎症剤:炎症による痛みを和らげるために、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)等を利用することも効果的です。
痛み止めの薬を使用する場合は必ず事前に担当の歯科医師に相談するようにしましょう!

②患部や周囲を冷やす
痛みが強い場合、氷などで患部を冷やすと周囲の腫れを抑え、痛みを和らげる効果があります。完全に痛みを取り除くわけではないので痛みが落ち着いたからといって無理に動かすことのないよう注意してください。

③刺激のある食事に注意
硬い食べ物や刺激物(辛いもの、酸っぱいもの)は避け、柔らかい食事を心がけましょう。刺激物を摂取することで痛みを助長する可能性があります。

④やさしい口腔ケア
歯磨きやうがいは優しく行うことが大切で、無理に力を入れると治療した箇所を刺激してしまうことがありますので治療後、数日は丁寧にやさしくケアしてあげましょう。

虫歯治療後のケアと注意点

虫歯治療後は、適切なケアと注意点を守ることで、痛みを軽減し、健康な口腔環境を維持できます。

①定期的な検診
治療後は、歯科医師による定期的なチェックを受け、虫歯再発の予防に努めることが重要です。口の中の衛生を保つためにも定期的にクリーニングを受診することを推奨いたします。

②正しい歯磨き
正しいブラッシング技術を身につけることで、虫歯や歯周病のリスクを減少させます。硬すぎないやわらかい歯ブラシを選択し、優しい力で丁寧に磨くことを心がけましょう。

③フッ素を含む歯磨き粉等を使用する
フッ素入りの歯磨き粉やマウスウォッシュを使用すると、虫歯の再発防止に効果的です。歯ブラシと併せて歯磨き粉やマウスウォッシュも自分に合うものを使用していきましょう。

④バランスの取れた食生活
糖分や酸性の強い食品を控え、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、口腔内の健康が保たれます。

6.虫歯治療の後の痛みに関するまとめ

虫歯治療後の痛みは多くの人が経験することですが、その程度や種類は個々の状況により異なります。痛みの原因を理解し、適切な対策を講じることで、より快適に治療後の期間を過ごすことができます。

また、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行うことで、虫歯の再発を防ぐことが可能です。もし痛みが続く場合には、早めに歯科医院を訪れることをお勧めします。健康な歯を保つために、日々の予防とケアを大切にしましょう!

▽河原町歯科・矯正歯科クリニックの専門医より一言!

虫歯の痛みや治療後の痛みは、神経がある歯は身体と同じで生きてる証拠です。
虫歯が神経に近付くと神経は二次象牙質と言われる歯質を作りながら、小さくなり、虫歯から距離を取ろうとします。小さな歯の中でも神経があるうちは、このような生体防御反応が起こってます。しかし、防御反応にもかかわらず、虫歯が神経に達してしまった場合は、また違う反応が起きて神経は痛みを伴いながら徐々に壊死していきます。
 虫歯を削った場合、生体が傷を負ったと同じなので、後で痛む場合がありますが、一時的です。しかし、前述のように神経に達している場合は痛みが徐々に出てきて、継続しますので、その時は神経治療となります。
 治療後の痛みが一時的か、強い痛みが継続するかをよく観察してドクターに伝えて下さい。その情報を総合して神経治療を行うか、痛み止めを処方して様子見するかを判断しますので。

河原町歯科・矯正歯科クリニック

~著者~

院長/矯正担当医(歯学博士)
江口 公人えぐち きみひと

■ 経歴・資格・所属学会等
1988年 徳島大学歯学部卒業
日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医
日本口腔インプラント学会会員
インプラント認証医
日本矯正歯科学会
SJCD所属会員
KIRG準会員
歯学博士