インプラントがありますが、矯正できますか?

歯の断面図/歯根膜

こんにちは。京都・河原町歯科医院のDr.江口です。
今日は「インプラントと矯正治療」についてのお話しです。


「自分にはインプラントがあるのですが、矯正できますか?」というお問い合わせをいただくことがあります。

  • インプラントも矯正で動くのでしょうか?
  • インプラントもやり直しになりますか

などなど。

これらのご質問に関して、歯の動くメカニズムなども加えて簡単にお話します。

矯正治療でインプラントは動かない

歯が動く原理を簡単にご説明すると。。。

歯の周りには「歯根膜(しこんまく)」があります。歯根膜は、歯にかかった圧力を吸収・緩和する歯のクッションであり、とても優れた感覚センサーでもあります。例えば、固いものを噛んだ時に「固い」と感じるのはこの歯根膜がその感触や刺激を感知して、脳に伝えるからです。

矯正治療で歯を動かす際には、この歯根膜のセンサーがとても重要です。

歯に圧力を加えると、歯根膜のセンサーが察知し、「その圧力を解放しなければならない!」ということで、当たっている骨の所に「骨を食べる細胞」が出てきます。そして骨を食べて隙間を作り始めます。その分だけ歯がグッと動く、このようなメカニズムで歯が動いていくのが矯正治療です。

インプラントの場合はその歯根膜がありません。よって、矯正治療をしてもインプラントは一切動かないのです。
なお、矯正治療には「インプラント矯正」といって、あえてインプラントを先に入れ、固定源を確保してから矯正をするという手法もあります。状況によっては、インプラントがある患者様は、そのインプラントを最大限の固定源にすることで、矯正が進めやすいケースもあります。

インプラントのやり直しが必要なこともある?

経験として、インプラントのやり直しは基本的にはありません。ただし、稀なケースですが、矯正の妨げになる位置にインプラントが入っている場合は、とても悩ましいです。その場合は、状況を丁寧にご説明し、患者様の同意を得ながら一緒に治療を決めていきます。

なお、矯正治療終了後、インプラントの上の被せだけは、正常になった咬み合わせに合わせて作り直しをした方が良い可能性があることは、事前に了承いただいています。



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